停滞感と無縁になる!秒速で成長し続ける組織の人材育成のヒミツ
~社員の「助けて!」を活かし、組織力もスピードも上げる~
「困ったときは、遠慮せずに周りに頼りましょう」
新入社員研修や、チームリーダー向けの研修などで、
一度は耳にしたことがあるかもしれません。
もちろん、一人で抱え込まずに周りの力を借りることは、仕事を進める上で非常に大切です。
しかし、ただ「助けてください!」と声を上げれば、
誰かがすぐに手を差し伸べてくれるとは限りません。
特に、忙しいビジネスパーソンにとって、時間と労力は貴重な資源だからです。
では、一体どのような人が、周囲の協力を得やすく、
スムーズに問題解決へと繋げられるのでしょうか?
今回は、その秘密を解き明かすカギとなる
「コミュニケーションコスト」という考え方と、
周りを巻き込むのが上手な人の共通点について解説していきます。
コミュニケーションコストとは?
あなたは、誰かに相談事を持ちかける時、
相手にどれくらいの負担をかけているかを意識したことはありますか?
例えば、
- 状況が曖昧で、何度も質問を繰り返さなければならない
- 問題の背景や経緯を、一から説明する必要がある
- 結局、何をしてほしいのかがよくわからない
このような相談の仕方をしてしまうと、
相談に乗る側は多くの時間と労力を費やすことになり
結果的に「ちょっと面倒だな…」と感じてしまうかもしれません。
この、相手に時間や労力を費やさせる負担のことを、
ここでは「コミュニケーションコスト」と呼びます。
コミュニケーションコストが高い相談は、相手の貴重なリソースを奪い、
協力意欲を削いでしまう可能性があるのです。
子どもと大人の違い:助けを求めるプロセスの変化
少し視点を変えて
子どもと大人が「助けて」を求める時の違いについて考えてみましょう。
子どもが困った時、例えば宿題がわからなかったり
おもちゃが壊れてしまったりした時
「助けて~!」と親や先生にストレートに助けを求めることが多いでしょう。
すると、周りの大人は、子どもの曖昧な訴えから状況を把握し
何に困っているのか、どうすれば解決できるのかを丁寧に聞き出して
時には一緒になって解決策を考え、手を差し伸べてくれます。
これは、子どもがまだ自分で状況を整理したり
相手に配慮した伝え方をすることが難しい段階だからです。
周りの大人は、それを理解した上でサポートしてくれます。
一方、ビジネスの現場で
大人が子どもと同じやり方で助けを求めたらどうなるでしょうか?
職場で、いきなり上司や同僚に「助けてください!」とだけ伝えた場合
相手は状況を把握するために自分の仕事を一旦脇に置いて
あなたにいくつも質問を重ねる必要が出てきます。
「何に困っているのか」
「いつまでに解決したいのか」
「具体的に何をしてほしいのか」
など、確認すべきことは山ほどあります。
もちろん、緊急時にはまず助けを求めることが大切ですが
多くの場合は、人に相談する前に、ある程度自分で状況を整理しておくことが求められます。
助けを求める相手に対して、
- いつまでに
- どのような形の助けが必要なのか
(話を聞いてほしいのか、アドバイスがほしいのか、具体的な作業を手伝ってほしいのか) - 問題の概要(現状、何が起きていて、何に困っているのか)
などを、自分から提示することで、相手はスムーズに状況を理解し
必要なサポートを提供しやすくなります。
つまり、大人がスムーズに周りの協力を得るには
コミュニケーションコストを意識し、相手の負担を最小限に抑える必要があるのです。
とはいえ、過干渉・過保護な親に育てられると
「周りの大人が先回りして片付けてくれる」という習慣から
成人しても「自分の頭で考えられない」という仕上がりになってしまい
見かけは大人でも、子供と同じパターンしか使えない…ということになってしまいがちです。
職場で評価される姿勢:コミュニケーションコストの意識
では、職場でどのような姿勢が評価され、求められるのでしょうか?
それは、まさにこの「コミュニケーションコスト」を意識した行動です。
例えば、
- 相談する前に、自分でできる限りの調査や情報収集を行う
- 問題点を整理し、相手に伝えるべき情報を明確にする
- 具体的な解決策のアイデアをいくつか提示し、相手の意見を求める
- 期日や必要なリソースなど、相手に協力してもらう上で必要な情報を伝える
このような姿勢で相談することで
相手は問題解決のために、あなたの相談内容そのものに集中することができます。
無駄なやり取りが減り、結果的に迅速かつ効果的な問題解決に繋がる可能性が高まります。
また、このような姿勢は、自立性や問題解決能力が高いと評価され、
周囲からの信頼も得やすくなります。
「この人に頼めば、的確に状況を伝えてくれるし、こちらも動きやすい」
と思ってもらえるようになるでしょう。
逆に、
- 状況を全く整理せずに、ただ「どうすればいいですか?」と丸投げする
- 感情的に状況を訴え、何が問題なのかが曖昧
- 相手の都合を考えず、一方的に助けを求める
このような相談の仕方は、相手に大きな負担をかけ
協力意欲を低下させてしまう可能性があります。
周りを巻き込む力は、相手への配慮から生まれる
他人に助けてもらいやすい人は、決して人当たりが良いだけではありません。
彼らは、相手の時間と労力を尊重し、
コミュニケーションコストを最小限に抑えるための努力を怠らないのです。
「困ったときは助け合い」は、素晴らしい言葉ですが
その助け合いをスムーズに進めるには、互いの配慮が不可欠です。
今日から少し意識を変えて、誰かに助けを求めるときは
相手がどれくらいの労力を必要とするかを考えてみてください。
あなたのその小さな配慮が、周囲との良好な関係を築き
スムーズな問題解決へと繋がる大きな一歩となるはずです。
そして、もしあなたがリーダーの立場であれば、
部下が安心して 助けを求められるような
コミュニケーションコストの低い組織づくりを意識してみてはいかがでしょうか。
